映画「猫は逃げた」についての感想
「愛がなんだ」「街の上で」の今泉力哉が監督、「性の劇薬」「アルプススタンドのはしの方」の城定秀夫が脚本を務め、今泉と城定が互いに脚本を提供しあってR15+指定のラブストーリー映画を製作するコラボレーション企画「L/R15」の1本。
キャスト
山本奈衣留
毎熊克哉
手島実優
伊藤俊介
中村久美
オセロ
あらすじ
漫画家・町田亜子と週刊誌記者の広重の夫婦。広重は同僚の真実子と浮気中で、亜子も編集者の松山と体の関係を持っており、夫婦関係は冷え切っていた。離婚間近の2人は飼い猫のカンタをどちらが引き取るかで揉めていた。そんな矢先、カンタが家からいなくなってしまう。
飼い猫をどちらが引き取るかで揉める離婚直前の夫婦とそれぞれの恋人、不器用な4人の男女を描いたラブコメディ。
感想
今泉監督×城定監督のコラボ作品の2作目。今回は城定監督が脚本になります。
前作の「愛なのに」も良作でしたが、個人的にはこちらの方が世界観的には好きでした。
世間的には、あまりよろしくない関係なのかもしれませんが、どこか許せてしまえるような空気感。それはネコのカンタが見せる可愛らしさからなのか。
劇中で個人的に、好きなシーンとしては2つ。
①やはり、物語終盤の4人が言い争いをするシーン。長回しでひたすら会話劇が繰り広げられる訳だが、それぞれの気持ちが溢れ出て、本来ならば修羅場のようなシーンなのに、どこかほのぼのとしたシーンにも見えてしまうのは今泉監督が魅せる魔術なのか。
②亜子が運動不足で足が攣ってしまうシーンが2回ほどある。
浮気相手の松山は、思うように伸ばせない。ただ、夫の広重の前で攣ってしまった時、
広重は阿吽の呼吸の様に自然に伸ばす。そこで見せる亜子の涙の感じがすごく良い。
今回、2人の監督がコラボということで2つの作品が生まれたワケだけれど、どちらの持ち味も出ていてとても面白かった。
このような企画はどんどん見たい。
オススメ度
★★★★☆(星4)